SA-77d/Silpheed・シルフィードD型
SA-77はFPSFの主力多用途戦術宇宙戦闘機として開発され、単一の機種で戦闘から攻撃、要撃、偵察など種々の用途・任務に適合する能力を有している。同時に最小限度の支援にて運用できる――すなわち設備の乏しい前線でも稼動できることが当初から求められ、また開発当時の主力航宙艦であるレイランド級強襲揚陸艦での作戦能力も要求されている。
コンパクトな機体・ユニットごとの互換性に優れる設計や換装可能な主兵装部、あるいは剥き出しのマルチ電磁場インテークなど本機の外見的特徴はこうした要求性能に基づいたものだ。動力システムとして巡行時にアクシオンラムジェット2基を使用するが、戦闘時にはオーグメンター=反物質プラズマ推進を併用して推力の増強を図ることが出来る。
機体固有の固定兵装は無いが、これは前述のとおり目的に応じて武装を交換するため.インテーク上下に主兵装用のハードポイント(動力ライン込み)を有しており、多くの場合、レーザー機関砲4丁を装備する。
この他に9箇所の武装外付け用ハードポイント(右からSt.1〜9)があり,特に機体下部の増加兵装部(St.5)は機体からの動力引き込みも可能。通常は任務に応じて各種の兵装をSt.5に懸架し、確認されているだけでも光子魚雷発射管、重力子爆弾、反粒子砲などの兵装が存在する。
またD型以降では、外付けの防御システムとして、エネルギー兵器・実体弾いずれにも有効なE.M.ディフェンスシステムを装備可能。
多段階能力向上にてそれ以前の主力・B型からアップデートされたのがシルフD型である。それ以前の2段階の改修は火器管制装置の換装・兵装運用能力の強化、艦載能力の付与などに留まっていたが、これらの改修で機体重量は増加・機動性は逆に低下していたため、低下した機動性能を取り戻すべくエンジンコントロールの改良などによって推力向上を実現している(新型エンジンへの換装は見送られた)。
機体構造は徹底的に見直されており、各部で施されていた補強も不要になっているためB型と比較してやや軽量化が図られている。
外見上、エンジン改修によって大型化されたマルチ電磁場インテークによってそれ以前の型とは識別可能。
武装はB型のそれを流用可能だが、新規に開発された装備も多数存在し、St.5に装備する増加兵装としても新たに光子魚雷発射管、反粒子砲などが追加されている。また肥大化する電子兵装を機外装備としたのもD型からで、胴体後部・St.5の直上に専用のコネクターを設け、ECMパックをビルトイン式に装備する。電子戦闘の状況に応じて、ECMパックの換装を行っている他、定期的なアップデートが行われた。
以降40年以上一線で使用され続けている本機体であるが、生産数そのものは極めて少なく、段階的改修も既存機の改造/リファクトリーの形で行なわれているため、その総数は200機前後と推定されている(前述のとおり、既存機を発展型に改修することも多いため、シリアルNo.の追跡も難しい)。
ザカリテにより乗っ取られた銀河ネットワーク中枢フォトンコンピュータ・グレイソンシステムに対する攻略にはディープストライカーとしてシルフィード(SA‐77D/スタンダードW)が用いられている。
太陽系から64光年の位置にある本隊から離脱したLVH群は木星軌道内まで侵入、発艦したシルフィード40機からなる攻撃部隊はその高速性能を生かして月軌道まで侵攻、他の機が陽動に廻る一方で、月面上15qをパスした主力のトパーズ中隊がダークサイド側から一旦地球大気圏内に突入・大気機動によって進路を変えた後一気に軌道上のグレイソンシステムに襲い掛かった。
作戦は完遂され、グレイソンシステムは中枢部から破壊、同様にジャックされていた旗艦グロアールも沈められた。
93年発売のゲームアーツ製シューティングゲーム「シルフィード」に登場する、同名の戦闘機。
ゲームが発売された当時は、店頭にて流れていたオープニング・ムービにやられてしまい、さっそく購入→ゲームそっちのけで模型を作ったものが上段の合成画像(下)に使用している2機です。
↓はWF2006夏にて販売するガレージキットとして再度製作したもの。
原型製作はいつものとおりプラ板工作・一部エポキシパテ成形で。
全長160mmと比較的小さめで、PS2版のJ型装備とのコンバーチブル。
塗装はゲームCGに準じて殆ど灰色一色、F‐16用のグレーを若干明度を上げて使用。エナメル塗料にてスミ入れ、ウェザリングは展示用完成品ということもあり、ごく軽めに。