FFR-31MRD スーパーシルフィード
ジャムによる地球侵攻が開始されてからおよそ十数年が経過した時点でも、敵異星体ジャムの正体は依然として不明であり、地球製航空戦力を模倣するような兵器群を用いて航空作戦を展開してくるジャムに対して、それら(彼等?)の実態や戦術を知る為にも、高機能の戦術ないし戦略偵察専用機が求められたことも驚くにはあたらない。
高速巡航能力と強力なBVR戦闘能力を持つ主力戦闘機FFR-31シルフィードを基幹として、これを戦術偵察および電子戦闘機に改造したのがFFR-31-MR・通称「スーパーシルフィード」と呼ばれる機体である。
初期生産型・オリジナルシルフィード(試作機FRX-47と同じ設計で、全49機が存在する)の基本構造を流用しているが、胴体中央部・エンジン周りの構造以外は大幅に形状が変更され、主翼・および各種スタビライザーもより高速性能を重視した翼面形状に変更、設計上は全く別の機体と言っても良い。エンジンはターボファン/スクラムジェットのハイブリッド・スーパーフェニックスMk.10を搭載しており、元々超音速巡航能力を有するシルフに比べても巡航速度・最大速度いずれに於いてもこれを凌駕する。
電子装置も完全に新しいもので、従来のアビオニクスに代わって自律制御すら可能とする高機能電子脳を装備する。
機体下部に装備する戦術航空偵察ポッドシステム(TARPS)は、偵察用カメラ・レーダー・センサー等を収容した外付けのシステムで、電子戦用装備も搭載されており、ポッド後部にはECM用の巨大なブレードアンテナも装備・使用時にはこれを下方に展開する。偵察および電子戦闘機材を機外装備としたのは、偵察機として柔軟性を持たせる為であり、各種任務に応じて適宜装備の変更が可能であるとされる。TARPS自体は機体下部・中央のパイロンに固定されているが、緊急時には投棄することも可能。
FAF戦術空軍団・フェアリイ基地戦術戦闘航空団・特殊戦第五飛行戦隊(SAF-V)に配備されたスーパーシルフは全13機で、対ジャム戦闘に於けるあらゆる戦闘データの収集を任務としている。写真上は特殊戦3番機・パーソナルネーム「雪風」で、増速用ラムジェットブースターの装備も可能としたFFR-31MRDと呼ばれる別形式の機体である。
OVA「戦闘妖精雪風」のスーパーシルフィードをスケール1/120で製作しました(自作のシルフ、スーパーシルフと並べたかった)。
基本形状はプラ板工作・パテの盛り削りで造り、主翼は積層プラ板の削り出し、他の安定翼は強度を出すため(及び経時変形を防ぐ為)にアルミ板の削り出しで。
コクピット周りも殆どプラ板工作のみで、シート・コンソールとパイロットもプラ板・プラ棒から削り出し。キャノピーはエポキシパテで原型を作り、透明エンビ板をヒートプレス。キャノピー後方のカナードもアルミ板から(ピッチ方向の制御用だとしたら不可解な設置位置だ…)。
空気取り入れ口周辺は設定と全然異なる形状ですが、これは「この方が合理的な形状だから」というわけでは無く、3面図では判らなかったから。。
カラーリングは画稿・キットの試作品やイラストそれぞれで全然色が異なっていた為、一応「戦闘妖精雪風・解析マニュアル」のカラー画稿を元に調色してみました。各部のライン・マーキングは全て手書き、ナンバーのみ、流用のデカールを使用。