X-49 Night Raven
落ちていく。
右の複合翼にキースが刺さった黒鳥にはすでに機動の術は無く、高度を失っていく。
ガンサイト、オープン。RDY AAM-4。
ショートレンジ・ミサイルのシーカーが標的を捉える。
2030年代に入って初めてその存在が露見したゼネラルリソースの高機動実験機X−49・コードネーム「ナイトレーベン」は、同社の極秘軍事研究計画「Darkness of Enigma/D.O.E.計画」の一環として、イーオンドライブ/粒子推進器による高速飛行・高機動性能の実現、機載レーザー砲架システムほかの次世代多目的兵装、あるいは光速神経網(オプトニューロン)の機体直結による拡張ENSI規格など当時開発中であった新技術の概念実証を目的として製造された機体である。
ゼネラルリソースは未だその詳細を公表しておらず、その目撃事例も極めて乏しいことから本機体の緒元などは明らかではないが、特徴的な複葉後退翼による全翼機の形態を持ち(イーオン粒子を利用した翼面層流制御を効果的に行うためのものと推測されており、併せて主翼全体が粒子推進機として機能することで超高々度飛行や超機動性をもたらしていると考えられる)、翼長30m前後の比較的大型の機体である。
主機関イーオンドライブは下主翼中央部に搭載され、後部に推力偏向パドルを持ったノズル6基が開孔している。ドライブ駆動時にはこの周辺より緑色の光条が視認されるが、機関の作動原理すら明らかにはされておらず、如何なる方法で推力を得ているのか不明。主機関とは別に、機体背部にターボジェットエンジン2基が搭載されているようで、通常の離着陸や巡航時にはこちらを使用しているようだ。
固定武装として機体中央部に空中発射レーザー(ABL)1基を搭載、ハードポイント数ヶ所にはミサイルなど従来型航空兵装を施すことも可能と言われるが、その武装に関しても高度に秘匿されているため詳細は不明である。
↓はB−787 Tanker/Transporterから空中給油を受けるX−49。ジェット燃料を使用するターボジェットは補機に過ぎないが、ドライブ駆動にはジェネレータが供給する電力を必要とするため、本機体のレンジはさほど広いものでは無い。
↑イーオンドライブを駆動し機動中のX−49。高度/気圧や機体の姿勢に影響を受けることなく膨大な推力を発生させる推進機関であるが、作動中は強烈な光条を放つことで本機体の秘匿を困難にする。
このため、テストレンジ外で機関を作動させることはほとんど無い。
「エースコンバット3 エレクトロスフィア」に登場する架空戦闘機X−49です。
長らく半完成状態で放置していたものですが(たしか、別頁のデルフィナスと同時期に作ったような気がします)、今回表面処理とディテール加工をやり直して完成させてみました。
スケールは他の機体と同じく1/120、全長は160mmくらい。
CGを見ながら基本形状を作っているので概形は設定どおりですが、特に上下主翼の表面(それぞれの主翼も2層構造になっていて層流制御に寄与するとか?)や下主翼の後端(この部分にイーオンドライブが装備されている?)等など、細部はわりとオリジナルのディテールを入れてあります。
また全体に単調な形で大きさが判り難いので、設定とは異なりますが従来型のキャノピーを取り付けて内部コクピットもそれらしく作ってみました(そう言えば、専属パイロットは太陽光を浴びることが出来ないのではなかったか)。
黒一色の機体ですが、それだとお話にならないので、出来るだけ明度を上げて塗装→墨入れ・ウォッシング→デカール貼付→フラットベース塗布、という工程はやっぱりいつもどおり。