FRX-00/FFR-41MR メイヴ“雪風”

FFR-41 Mave

 「対ジャム戦闘に於いて、有人機の能力では既に限界に来ている」という判断は(特にFAF機械知性体群によって)以前から提唱されていた事で、それを具現化したのが次期無人戦闘偵察機・FRX-99である。

 無人機特有のコンパクトな規格とされているものの、その本質が対空/対地戦闘能力を併せ持つ戦術戦闘機であるため防空一本槍のフリップナイト・システムなどに比べると大型で、またFAF戦闘機の通例として地球製戦闘機より一回り大きく全長は20mを超える。

 パワープラントとしてFFR-31MRと同じスーパーフェニックスMk.XIを2発搭載するが、特異なエアインテーク周りの設計から推定されるとおり機体自体がバイパスターボファンエンジンに最適化されていると思われ、事実ラムジェット・モードでの加速性能/巡航速度は格段に向上しているとされる。
 中枢電子脳に関する諸元は非公開だが、ナイト・システムなどと比較すると格段に大型化・FAF戦闘知性体群とのデータリンクを有しつつも基本的には自律制御/戦闘を主体とするものと考えられる。

 高高度でマッハ2〜3の超音速巡航をしつつその高速度域に於いても優れた機動性を発揮するとされるFRX-99の性能は、公開されているスペックを額面どおりに受け取るならば従来の地球製戦闘機をまったく寄せ付けないレベルに達しており、現時点で人類(或いは機械知性体群か?)が作り出した最強の戦闘マシーンと言える。

 このFRX-99を戦術戦闘航空団からの要請に基づいて有人機仕様に改装したのがFAFシステム軍団設計のモデルナンバー100、FRX-00である。機首部分の再設計で複座のコクピットを増設し、中枢電子脳及び周辺の電子装置もスーパーシルフと同系統の物に換装されていると思われる。2段階の後退角を有するクリップドデルタの主翼・4枚全てが全遊動で可動するスタビレータ、及び機体の上下に分割されたエアインレットなどの外見的特徴は全てFRX-99と共通しており、自在に連動する動翼及びベクターノズルが生み出す殺人的運動性能も同等と言われる(厳密には重量が増えている為、運動性はやや低下していると考えられるが)。

 前述したようにスーパーシルフに比しても巡航高度・速度ともに向上していることから、兵装は完全にBVR戦闘指向と思われ、中射程用のAAM-Vおよび長射程用のAAM-VIIを搭載する他、超高速ミサイルAAM-VI(HAM)も使用可能(主翼下に片側5ヶ所、胴体下にも5ヶ所のハードポイントを持つ)。胴体右側には20mmガトリングガンを1基搭載している。

FFR-41 Mave

 戦術戦闘航空団・特殊戦第5飛行戦隊(SAF-V)に所属するスーパーシルフ/FFR-31MRの後継機として開発された機体ではあるが、運用上のトラブルの為に現在のところ先行生産型1号機(特殊戦1番機「雪風」)が配備されているのみで、2号機以降の代替計画は進んでいないらしい。正式配備後はFAF形式名・FFR-41が与えられている。

FFR-41 Mave
FFR-41 Mave
機体の諸元はおろかその概形も全く不明であったFRX-00および-99だが(FAFからは非公式ながらその存在は知らされていたとは言え)、超空間通路を通り南極の空に突如飛来したことによって初めてその姿が明らかとなった。上記4枚の写真はその現場に居合わせた日本国立極地研究所職員が撮影したもの。
ただし、この時行なわれた作戦の内容・目的などFAFからの公式発表は皆無で、如何なる理由によって飛来したのか全くの不明であり、FRX-00、99の2機(一説では3機居たとの情報もある)は程なくして通路の彼方へと消えた。
FFR-41 Mave
FFR-41 Mave
南極に飛来して以降FAFからも公式に本機体の写真がリリースされているが、依然としてその画像情報は少ない。
これも特に何の説明もなく公開された画像だがFRX-00/FFR-41MR(手前)と、奥の機体は無人戦術戦闘偵察機FRX-99と思われる。FRX-99はFFR-41MRの基幹となった機体で、両者はほぼ同一の形態を持つ(ただしキャノピーは無い)。-99は「レイフ」のペットネームを持つとも言われるが正式なデジグネーションは与えられていないようで、また公式の情報もわずかであるためFFR-41MR以上に謎の多い機体である。
FFR-41 Mave
これも近年リリースされた写真。この画像に限らずフェアリィでの空撮写真は全体にやや緑がかったような独特の色合いだが、空の色からして違うことが異星であることを感じさせる。
FFR-41 Mave
FFR-41 Mave
FFR-41 Mave
"演習中"というきわめて簡素なコメント共にリリースされた写真だが、空中給油に向かうのかタンカーの後方に付けるFFR-41MR。給油機は見てのとおりKC-767のようであるが、FAFではこのタイプのタンカーを運用しておらず(と言うよりも、近年では地球製航空機をそのまま使用すること自体が稀)さりとてこの解像度ではタンカーの所属も判らず……という謎の多い写真でもある。

「グッドラック・戦闘妖精雪風」のFFR-41メイヴを1/120スケールで製作、2001年に作ったのがこちら(今の目で見るとさすがに…な出来)。
 長谷川正治氏のデザインによる物ですが、表紙と挿絵のバージョンにはやや違いがあるようで(主翼形状や機体全体のバランスが異なる)、挿絵の方のデザインを基にしています。

FFR-41 メイヴ・雪風
FFR-41 メイヴ・雪風



2014年に新造したのがこちら↓。基本的には同じ形状となるように造形していますが、スケールは1/100としました。プラ板工作で原型を作り、FRX-99とのコンバーチブル及び飛行/着陸状態のいずれにも組めるレジンキットとしてあります。

FFR-41 Mave
FFR-41 Mave
FFR-41 Mave
FFR-41 Mave
FFR-41 Mave

搭載ミサイルは3種類、これはそのうちAAM-Vを胴体側面に付けた状態↑。↓がAAM-V、VII及びVI。胴体下センターラインにあるのはドロップタンクではなくTARPS(戦術航空偵察ポッドシステム)。FRX-99では機首内部にあった偵察用機材を外付けのポッドに移設したことにしてあります。

FFR-41 Mave
FFR-41 Mave

↑AAM-V+VIIを搭載。胴体下のハードポイントはイジェクター付きのAAM専用で、ランチャー無しでミサイルを懸吊できるという事にしました(コンフォーマル装備っぽいので)。↓は何も搭載していないクリーン状態。

FFR-41 Mave
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