FRX-47/FFR-31 シルフィード(戦術戦闘型)

FFR-31

 FAFの戦術攻撃は従来地球で行われた航空作戦に於けるそれとはやや様相を異にする。「制空戦闘機による制空権確保と同時に攻撃機による敵防御網制圧を行い、しかる後戦術戦闘機による高価値目標攻撃を行う」という基本思想はフェアリィに於ける対ジャム戦闘では通用しない。本来FFRシリーズは絶対的制空権の無い領域(これは空中管制機による指揮・統制を殆ど受けられないことを意味する)で相互にデータリンクを行いつつ、それぞれが高機動能力を持つ空中目標を攻撃するよう作られており、また攻撃兵装としても長距離・高速ミサイルによるBVR戦闘から極めて近接した格闘戦闘までに対応するよう、多肢に亘る攻撃手段が要求されている(制空戦闘機に、では無く戦術戦闘機に対してである)。

 主力戦闘機であるFFR-31シルフィードの増産に伴い、高性能の同機を戦術攻撃任務の主力とする為マルチロール化改修が行われたが、仕様の追加・変更は主に対空戦闘能力の強化に充てられており、レーダー/火器管制システムの換装や多目標同時攻撃能力を持つ空対空スタンドオフ兵装の追加などが行われている。搭載兵装の大型化・及び搭載量の増大に対応するため機体各部の構造は徹底的に見直されており、各所の補強を行うとともに設計の合理化によって自重の増大は最小限に抑えられている。

 エンジンは初期生産型と同様フェニックス5000系のターボジェットを2基搭載するが、ソフト面でのエンジンコントロールが改善され最大推力は低下しているものの、スロットルレスポンスは向上。自重増加で推力重量比は低下したがノズルべクトリングの高速化・FBWソフトの更新や動翼の若干の増積などによって総合的な空戦機動能力は初期型同等のものを保持しているとされる。

 設計・構造の相違点に比して外形上の鑑別点は少なく、機首レドーム径がやや増加・機首周りのアンテナ類の変更、後部レドームの大型化及びベクターノズル形状が変更されている他は初期生産型と同型である。
 搭載兵装はより一層拡充しており、長距離高速ミサイルや高機動短射程ミサイルないしBVR同時多目標攻撃用の多弾頭ミサイルなど多肢に亘る。また対地攻撃兵装の運用能力も当然強化されており、胴体内兵器槽と主翼下ハードポイントを合わせて20t以上の搭載能力を誇る。火器管制はシステム全体が更新されており、特に大型化したレドームに収容されるマルチモード・フェイズドアレイ・レーダー/空間受動レーダーの探知能力、有効距離は大幅に向上した。

 初期生産型同様に前後席の複座であるが、後席は拡充した兵装のコントロール・攻撃目標誘導などを行う目的で大幅に仕様が変更されており、搭乗者の呼称もレーダー迎撃要員から兵器システム要員に変わっている。

 1/120シルフィード・FFR-31を展示会(HME2002)に併せて改造・再塗装したもの。
 機体下部・特に胴体下兵器槽周辺のラインを変更、主翼は経時変形していたので修正、他数ヶ所を改修して機体色はF-15E風に変更しました。

FFR-31
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