ダミー/ブラックマンタTR-3B
園原基地近傍の空域を飛行中のダミー/ブラックマンタTR-3B(撮影者などはいっさい不明)。そのコードネームと、特に意味の無い形式名はいずれもオーバーテクノロジーによるディーンドライブ・インターセプターの存在それ自体を秘匿もしくは欺瞞するためのもので、正式名称は明らかではない。
航空自衛軍園原基地近傍で目撃され「フーファイター」の俗称で呼ばれる正体不明の航空機は、実際には数種類のそれぞれ別の機体であったことが判明しているが、本項の「ダミー/ブラックマンタTR-3B」は運用頻度から目撃事例のほとんどを占めるもので、その実態はオーバーテクノロジーである反重力機関を搭載したディーンドライヴ・インターセプター「ブラックマンタ」を基幹とする迎撃戦闘用ウェポンシステムの一環を成す高機動無人戦闘機である。
母機であるブラックマンタは搭載するディーンドライヴによって極めて高度な飛行性能を持つが、反面機体規模とペイロードの問題から主に攻撃能力補完の目的で支援機/ミサイリアー複数の帯同を必要とし、このうち本機体ダミーが担うのは大出力レーダーと高機能のセンサーシステムを用いる索敵・追尾と照準、さらに母機と酷似したシルエットと機動および攻撃手段による視覚的/電子光学的な欺瞞。この目的のためダミーのエアフレームは前進翼+デルタ翼の平面形を持ち、パワープラントには大推力のターボジェット1基+増速用の液体ロケットモーター2基を搭載する。
背面中央部にはやはり同様のバルジがあり、EOTS等のセンサーおよび電子頭脳の収容位置となっている。その“電子頭脳”も、ある程度の状況判断能力と空戦技能を有していたとされるが、当時の技術レベルからしてその機能は限定的で母機もしくは管制機ないし地上からのリモート制御を要するものであったと言われる。
“ダミー”ブラックマンタはその秘匿程度が母機ほどではなく、園原基地近傍での目撃事例もそれなりに散見はされる。ただし残っている写真はほとんどが不鮮明で、一般に流布された画像でこのように比較的明瞭な細部が判明するものは極めてめずらしい。
ブラックマンタには合計7基が搭載されている重力制御環は3基となっているが、そもそもこれも不完全なレプリカで発光はするものの実際の機能は無いと言われている。
胴体/翼下面にハードポイント合計6箇所を持ち、内舷側の4箇所はAAM専用ステーションでランチャーを介さないコンフォーマル搭載が可能。
小説「イリヤの空、UFOの夏」に登場する架空戦闘機ブラックマンタは、作中の記述では無人戦闘機「ダミー」および同じく無人の「ミサイルキャリア」複数機と帯同して戦闘単位“パラベラム”を形成・連携して迎撃戦闘を行うとありますが、それはいったいどんな姿なのか?というのは未だに時々思っていたわけで、いちおう、アニメーション化された際にブラックマンタともどもデザインは存在するのですが(自作のブラックマンタはそれを基に造形してあります。)、「ダミー」と称するくらいだからもうちょっと母機のシルエットに寄せても面白いかも + 実在…しないかも知れないがひょっとしたら実在してたら興味深いかも知れないTR-3Bの要素も入れてデザインしてみたらどうなるかな、というのがこの「ダミー・ブラックマンタ/TR-3B」です。
全体の形状はOVAのブラックマンタのそれを簡略化したようなものとし、特徴的な発光する環状構造はマンタの7基に対して3基(たぶん重力制御装置の類とも思われますが、ダミーのそれは発光するだけで機能は無い、とか)。胴体中央背部にはコクピット/キャノピーの代わりに無人機っぽいバルジを付け胴体/翼下面には自衛用のAAMを搭載できるステーションを合計4箇所としてあります。