E.E. エクスキャリバー F/D.Mk.4

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 北極上空の熱圏高度に出現・定点旋位する不明物体“ナイゼス(リング)”によって発生する断続的EMP現象によって北半球、特に高緯度地域のレーダー索敵網が破綻した環境下で予測される、高高度を超音速で侵攻してくる爆撃機/攻撃機に対する防空能力を拡充する目的で設計・製造されたのが本機体 E.E.エクスキャリバー(頭文字から“トレブルE”の通称が使われる)であり、表向きは「極圏に出現した正体不明物体に対する警戒・監視および迎撃を主任務とする」とされていたものの、実態としては前述のとおり東側陣営の超音速ジェット爆撃機に対抗する迎撃戦闘機に他ならず、イングリッシュ・エレクトリックとしては2番目の、RAFが採用したものとしては3世代目の超音速戦闘機となる。

 Lo‐Lo戦術に対応したルックダウン・インターセプト能力と中高度以下での加速・運動性能を重視した在来の迎撃機では高度3〜4万フィートを速度少なくともM1.5〜2.5で飛来する侵攻機を捕捉するには能力不足であり、上昇力と高空での加速・速度性能に加えて超音速巡航能力も必須とされたため、大口径ターボジェットと、リヒートを兼ねるラムジェットステージが組み合わされたハイブリッド・パワープラントを搭載する。最大直径は120p、全長はベクターノズルを含めると10m近いエンジンは巨大で、翼胴融合設計が行なわれているとは言え不必要な要素を削ぎ落とした機体構成は先代であるライトニングに通ずるものがある。エアインテークも機首(ショックコーン付き)と主翼付け根の2Wayとなっているのが特徴。
 LEX前方の楔型インテークから吸気するラムジェットステージは高亜音速まで到達した段階で起動、主機のターボジェットをアイドリングとした状態でも高度36,000フィートにてM1.6の超音速巡航を可能とする。ターボジェット本体とそのリヒートを点火した場合は最大速度M2.8を維持することができ、後述の無人戦闘型では空力加熱限界が緩和されているためM3.1での飛行も可能。

 空力性能を優先したことに加えレーダー索敵網が制限される条件化での運用が前提であるとは言え、迎撃戦闘機としての低被観測性は考慮されており、特にヘッドオン時の正面RCS低減策が取り入れられている。胴体下のウェポンベイもLO性ならびに低抵抗化には有効であり、迅速性を第一義とするQRA任務では兵器槽内の中型AAM2発が主武装となる。

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 兵装の外部搭載も当然可能で、重用される大型の高速長射程ミサイルは主翼下もしくは胴体下のハードポイントに懸吊する。写真の機体のカテゴリーII多目標迎撃装備では、主翼外弦からIR誘導のデ・ハビランド ファイアストリークMk.13、ヴィッカース レッドディーン(アクティブレーダー誘導のMk.6/9を使用)、胴体下兵器槽脇にはレーザー誘導のE.E./ヴィッカース レッドネイルそれぞれ2発を搭載。
 兵器槽内にはAAM2発と同時にSDBもしくはロケット弾パック、外部ハードポイントにも各種爆装が可能で7.4tの最大搭載量を持ちFCSもそれらの誘導・管制に対応しているものの、本質的には要撃専用機であり戦術攻撃能力は限定的であるに過ぎない。

 増槽はライトニング以来の伝統というわけでは無いはずだが(?)主翼上面に専用ポイントが設けられており、この形態での超音速巡航はさすがに不可能ではあるものの、機内燃料搭載量が多いとは言えない本機体の長時間滞空任務には必須であり、戦闘時には切り離すことができる。

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 コクピットは超音速域でのベイルアウトを考慮してポッド式となっているが通常の射出座席も備えており亜音速以下の速度域および低高度/高度ゼロではそちらが作動する。Mk.4以降ではこれを戦術電子脳ポッドに換装、無人迎撃機としての作戦能力も付与されており(このため形式名はファイター/ドローン=F/Dとなっている)、ポッドの積み替えと機体側のセッティング変更は前線に於いてもごく短時間で済ませることができ運用面での優れた柔軟性をもたらしている。

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 QRA任務では通常有人機1と無人機1でエレメントを組み速度性能に優れる無人機(双方の空力特性は同一で総重量についてもほぼ同等ではあるが、無人機ではキャノピーが無いため空力加熱への耐熱性能において優位である)が前衛となるが、機体間データリンク用の可変調式レーザープラグも追加装備されているため、外部の支援無しでも連動戦闘が可能となっている。

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ディメンション:全長17.6m 全幅12.4m 全高6.1m 空虚重量 11.9t 全備重量 14.1t
ペイロード:7140kg
巡航速度:M1.6(有人型) M1.8(無人型)
最大速度:M2.6
実用上昇限度:21,000m
戦闘行動半径:910nm

 オリジナルの架空戦闘機です。
 今回のは英国製最後の超音速戦闘機であるE.E.ライトニングの後継機種(実際には間に1機入るくらいの位置)を想定して後退翼/機首のショックコーン/一枚垂直尾翼等々の要点を決めてからデザイン。名称の由来はライトニングが本来この名前になるはずだったことから。

 スケールは他と同じく1/100、全長180mm。プラ板工作によるワンオフモデルです。

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 コクピットはSz-112からキャノピーを流用、内部のシート・コンソールとパイロットも同ガレージキットの物です(なのでデザインも似た感じに)。

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 外部装備は取り外しできるようにしてあります。↓は増槽を外した状態。

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