Eliminate Device R-9/0 "Ragnarok"
R-9Aシリーズはあらゆる環境下での生残性と高い信頼性を充足するため機体構造として汎用作業艇のそれを基幹とすることで発達進化を遂げてきたのであるが、これに対して当初より戦闘兵器として設計・製造された量産機としてはR-9Sが最初であり、その根底にあるのは徹底した合理化と高出力化、高い攻撃能力の純化であると言える。結果としてR-9Sの基幹フレームは従来のそれよりも小型化され、主機ならびに補機はアタッチメント化され将来的な改良と機能拡張にも耐えるポテンシャルを持つに至っており、カスタム化された在来機のそれと同等の攻撃力/防御力を充足させつつ、生産性や稼働率にも配慮した合理化が機体全体で実装されていることに加え、強化された主砲・メガ波動砲の搭載も相まって優れた戦闘兵器として完成されている。
このR-9Sの主要構造を引き継ぎつつ、さらに攻撃力の強化を図ったのが本機体・R-9/0、コードネーム“ラグナロック”である。
基幹フレームはR-9Sのそれと同一であるが、主機は換装されフォース・コンダクタ他の各種艤装についても刷新されているR-9/0は「小型のR機体に戦艦クラスの攻撃力を内包させている」と形容されるとおり、極めて高出力のパワープラントを核とした動力/推進器系統を搭載しており、これによって駆動されるハイパードライブ・システムを主兵装として持つ。また/0において画期的であったのは限定的とは言え後の“究極互換機”にて開発の主眼となったフォース・デバイス互換性を実現させている管制システムを搭載していることで、R-9Sと共通のスタンダード・フォースの他、シャドウ・フォースおよびサイクロン・フォースの運用が可能となっている。
波動砲ユニットは従来のR機体とは異なり胴体下に懸架する形態となっているが、「波動砲連射」を実現するための措置であり、稼動する際には砲機関部が展開する形で下方にスライドする。主機をオーバードライブさせてエネルギー収束・誘導加速を行なうため、使用に伴って機体の動力ラインを強制冷却する必要が生じる。このため/0ではザイオング慣性制御/重力推進器を含む左右主機と、胴体中央部に収容しているメインジェネレータ周りに冷却器を兼ねるサブフレームを配し、可動型セミモノコックアーマーである外装を展開・冷却系を露出してこれによる電磁過冷却を行なうシステムを持つ。
固定武装としては他に従来機と同様の超高速電磁投射砲2門を搭載、外部兵装として各種ミサイル、主機体とリンクするビット・システムを持つ。
前述のとおり3種類のフォース互換性を有するが、フォース・コンダクトに複雑なプロセスを介するためドース活性のコントロールは充分とは言えず(即ち稼働中のフォースの暴走を来たす危険性がある)、このため生産型のR-9/0では機体との適合性に優れるシャドウ・フォース以外を装備するケースは稀であった。動力・兵装および各種艤装に於いても極めて高度かつピーキーな機構を持つ本機体は、その複雑さ故に生産性の低下と機体そのものの高額化を来たしており、また実際の運用も容易とは懸離れていたのが実態であり製造・配備された機体数はごく少数に留まっている。
↑回収されたミッションレコーダの映像。複数のバイドと交戦中で、僚機の/0はハイパードライヴ使用直後なのか装甲展開中。
↓左右主機カウリング下面にハードポイントレール各2条を持つが、これは初期生産型には見られない。
ディメンション:全長 19.01m 全幅 6.89m 全高 7.34m
空虚重量21.3t 戦闘重量24.6t
ドライブモーター:ザイオング慣性制御機関/重力推進器 主機×2 補機×1
固定武装:ハイパードライブ/波動砲×1 超高速電磁レールキャノン×2
特殊兵装・ドースウェポン(詳細不明)
搭載武装:次元兵装・フォース・デバイス×1 ビット・システム×2 左右兵装架に対空/対地ミサイル、爆雷など
R-9O“ラグナロック”というと「R-Type V」ですが、これは「R-Type FINAL」版として製作。とは言え両者はその外形からしてほとんど別物なので(それはそれで良いのですが)いちおうデザイン的な整合性を考慮して造形しよう、というのが趣旨です。
具体的には、個々のパーツは「FINAL」版として構成したうえで組み上げる際の全体バランスは「3rd.Lightning」版の設定画を基にすることにしました(特にキャノピーと左右エンジンナセルの比率からFINAL版はどこかラグナロックには見えない、という考えもあったので)。
ラグナロックと言えば装甲内部のメカニズムも描かれているし「ハイパードライブ使用後のオーバーヒートへの対処として強制冷却機構を持つ」という設定もあるので、解放式可動型セミモノコックアーマーの再現は必須と考えました。
またR-9Sの設定画を見ると胴体フレーム後部は何となく可動しそうな気がしたので、ここにメインジェネレータがあって背部フォース・コンダクタごと上方に展開、エンジンナセルと放熱パイルは左右に展開する機構を想定して造形。
スケールは1/144。2018年の作で、WF2018冬などで販売しました。