ギアーデ連邦軍主力多脚機甲兵器/フェルドレス
M4A3 "ヴァナルガンド”

M4A3 Vanagandr

 ギアーデ連邦軍機甲戦力の枢要を成す多脚機甲兵器(フェルドレス)M4シリーズは火力・機動力および防御能力のいずれに於いても極めて高いレベルで均衡する機体であり、言い換えれば第3世代フェルドレスとしては至極標準的なそれと考えて間違いではない。機動性能と抗堪性を勘案して4対を備える歩脚が支持する基幹フレームにパワーパックを直結したシャシー、機体前部に縦列複座のコクピットと各種センサー/ヴェトロニクスを集中配置しその後部に自動装填装置を持つ主砲塔を配置する。砲塔の旋回角は広く伏臥姿勢/埋伏(ハルダウンでの兵装指向に寄与しており、近接自衛用の副兵装(重機関銃2挺が標準)も砲塔上後部に搭載する。
 以上のような多脚機甲兵器の「基本レイアウト」を持つ本機体ではあるが、従来の戦術的な常識がまったく通用しない自律無人機甲兵器群( レギオン に対しては明らかにその後塵を拝する結果となって久しく、その出現以降は幾つかの小〜大改修が行われている。本項のM4A3もその一つで、主としてコクピット周りの装甲防御/NBC防御の強化および長砲身主砲(120o45口径滑腔砲)への換装による火力向上と、それらにより増大した機体重量(戦闘重量で50t超となった)を補填する高出力パワーパックの搭載が行われ、また阻電攪乱型(アインタークスフリーゲ)により用を成さない局面が増大した在来型データリンクに代わって、まだしもそれらの擾乱に抗堪性を有する可変調式レーザープラグの搭載をはじめとするヴェトロニクスのアップグレードを含む。

M4A3 Vanagandr
ヴェトロニクスを起動、火器管制装置のレーザーイルミネータを試験照射中のM4A3“ヴァナルガンド”。2基のレーザー照射器(本来は不可視レーザー光を発する)は照準/射撃制御系と連動している他、電子光学式近接防御システムにも組み込まれており誘導兵器へのジャミング機能を併せ持つ。
M4A3 Vanagandr
待機姿勢の“ヴァナルガンド”。本機体は諸元上の全高2.9mあり、フェルドレスとしては大型の部類に相当するが、コクピットや制御管制系および動力・駆動系は機体の前下部ないし下部に配置されており生残性向上に寄与している。主砲120o滑腔砲は45口径に長砲身化され砲口初速の増大が図られている。砲塔上後部には近接防御用のリモート式12.7o重機関銃2挺を持つ。
M4A3 Vanagandr
M4A3 Vanagandr
演習場にて機動中のヴァナルガンド。戦闘重量では50tにもなる巨体を時速100qほどにも加速させる高出力はこのような跳躍機動をも可能とするが、被発見/被弾の危険を考慮すれば望ましい操作ではない。これは他のフェルドレスも同様で、姿勢を低く這うような機動を常態とする。
M4A3 Vanagandr
発光する両の多目的イルミネータが「眼」のようだが、本来の眼  主光学センサーは中央の一眼。もちろん副次的な電子光学システムは機全体に幾つも配置されており、自在に可動する砲塔も同様。ただしその位置や数は公表されていない。

 小説「86-エイティシックス-」から、ギアーデ連邦軍の主力多脚機甲兵器、M4A3 ヴァナルガンドです。1/72スケール、プラ板工作によるフルスクラッチビルド。ワンオフモデルです。

M4A3 Vanagandr

 8本の脚は可動としたかったので、プラ板工作で原型→レジンキャスト複製して数をそろえ簡易可動を仕込んであります。他には砲塔が旋回/120o滑腔砲(作って計ってみたら45口径と判明)は俯迎、後部2挺の12.7o重機関銃も可動します(給弾ベルトも)。

M4A3 Vanagandr
M4A3 Vanagandr
M4A3 Vanagandr
M4A3 Vanagandr
M4A3 Vanagandr
M4A3 Vanagandr

 ↑普通乗用車との対比。「普通」と称するにはやや小さい車ですが。

M4A3 Vanagandr

 ↑人間サイズとの対比。「人間」と称するにはやや自走地雷っぽいですが。

M4A3 Vanagandr