零式艦上戦闘/観測機(F/A9M1)・その2

零式艦上戦闘/観測機

 架空の日本海軍零式艦上戦闘/観測機です。1/100スケール レジンキャスト製組み立てキット(ガレージキット)で、一次原型の複製パーツに追加工作して組んだ別頁の機体とは違いこちらはキットそのものの完成見本です(改修工作箇所は凡そ同一なので、見た目はほとんど同じですが)。

 ワンフェス2022夏以降に販売した仕様なので、↑写真のようにレーザー機関砲4挺と甲板用牽引車が付属したものとなっています。

 ↓手前がガレージキット版で奥のが一次原型の複製パーツから作った試作品(見てのとおりほぼ同一です)。

零式艦上戦闘/観測機
零式艦上戦闘/観測機

 ↑いつもの一円玉と比較。大きさこれくらいです。完成時の全長148o。

零式艦上戦闘/観測機・分解状態
零式艦上戦闘/観測機・分解状態

 1号機と並べて展示する前提なので、こちらは上主翼+胴体を取り外した分解状態とできるよう追加工作してあります(エンジンはもともと別パーツですが、上主翼およびエンジンそのものをフロートして展示できるよう工作してある)。

零式艦上戦闘/観測機・分解状態
零式艦上戦闘/観測機・分解状態

 ↑↓搭載エンジン・V/STOL用ベクターノズル付きターボファン「ネ1021」がエンジンベイに収まった状態。見てのとおり胴体内はほぼエンジンが占め余剰スペースはほとんど無い……というジェット戦闘機の構造を小スケールモデルでやりたいのでこうなっています。
 両サイドのベクターノズルは可動し、写真上がV/STOL時にノズルが降りた状態。巡航時には写真下のように引き上げた形態となります(キットでもどちらか選択でき、簡単な工作で可動にもできます(後述))。

零式艦上戦闘/観測機・分解状態
零式艦上戦闘/観測機・分解状態

 ↑エンジンベイは一次原型から追加工作してあるので、たしょうディテールアップされています……が、この大きさなので深追いはしない(エンジンが収まらなくなるので)。

零式艦上戦闘/観測機

 判り易いところだと、コクピットはパイロットが着座していない(=シートベルトや操縦桿/スロットルなどが代わりにモールドされている)状態ですが、厳密にはこの機体ではキットのパーツに追加工作したもの。2023年の最終版ではガレージキットでも同一のバリエーションとできるよう改修してあります。

零式艦上戦闘/観測機

 外部兵装は空対空ミサイル2種と対艦ミサイル1種および機関砲ポッドとレーザー機関砲。AAMのシーカーヘッドは透明レジン製で、ここでは対艦ミサイルも(光学誘導式という設定なので)シーカー部分を透明アクリルで置換してあります。



ガレージキット・取説の補足など

零式艦上戦闘/観測機

 以下、組み立てに際しての補足です。

 基本的にはキット同梱の組み立て説明書(↓)で充分な程度のパーツ数/工程と思われるのですが、いちおう。

零式艦上戦闘/観測機・取説の一枚目  零式艦上戦闘/観測機・取説の二枚目
零式艦上戦闘/観測機・取説の三枚目  零式艦上戦闘/観測機・取説の四枚目

 まずレジンキットにはある程度付きもののパーツ歪みの修正。
 時々パーツ一式を熱湯入れた鍋でまとめて茹でて…という方法を見かけるのですが、この「零式艦上戦闘/観測機」を含めてうちのガレージキットには適しません。
 薄い/細いパーツが多いうえに組み立て工程上で重要な機体のアラインメントを整える役には立たないので(むしろ歪んで修正不可能となります)、それよりはパーツの一部を熱湯に漬けて温め左右対称と組み付けた際の形状を見ながら徐々に修正を行う方が良いと思います。

胴体/主翼パーツ・正面

 胴体と下主翼(11.)は主翼上反角が歪んでいることが多いので、上記の方法で写真のような上反角となるよう修正を行います。上主翼(1.)と仮組みを行いながら進めてください。他のパーツ・兵装用パイロンなどの薄いパーツの形状修正は後からでもいいですが、主翼/胴体は先に済ませておいた方が良いと思います。

胴体/主翼パーツ・後方

 上反角もそうですが、主翼迎え角も左右で一致するようパーツの歪みを取り除くことが重要です(普通に組んでパッと見て気にならない程度にはなっていると思いますが)。

胴体/主翼とエンジン

 次いでエンジン本体(6.と7.)にV/STOL用ノズル(25L/R)を取り付け…てしまうとノズルが引っかかって胴体に組み込むことが出来なくなるのはインストに書いたとおりですが、

エンジンのパーツ

 25L/Rのノズルを実際に回転式としてしまうのも手です。左右ノズルをそれぞれ浅いダボで合わせて接着する構造ですが、6.のノズル取り付け部を2oで開孔・左右をつなげて内部にポリランナーを仕込んで1o径金属線で左右ノズルを接続する加工を行っているのが↑の写真。

 ここまでしなくても、ダボの中心に軸打ちして左右ノズルを回転可能としておくとエンジンの着脱が容易です。

 エンジンを脱着可能とするには上下の主翼/胴体を接着せず金属線のみで固定する必要がありますが、軸打ちする箇所は写真下↓の部分(および上主翼端の下主翼との接合部)が適当かと思います。

胴体・接合部の軸打ち箇所
胴体・接合部の軸打ち箇所
機体にエンジンを載せた状態
首脚のパーツ

 首脚は2パーツの構成ですが、0.8oステンレス線をインサート成形してある21.は写真矢印の箇所にごく少量の瞬間接着剤を流し込んでやると金属線が外れる心配がありません。

首脚の取り付け

 取り付ける際には↑写真のように14.を胴体(11.)にセットしてこれをガイドに0.8o径のドリルで開孔→21.を差し込みます(写真↓)。いずれのパーツも接着はしません。

首脚
キャノピー

 5.はキャノピーをヒートプレスするのに用いる原型パーツです。同梱の透明PET樹脂製キャノピーを使用する場合は不要ですが、キャノピーの縁をトリミングしたり整えたりする際に使うこともできます(予めパーツの下面にドリルで開孔しておくと、取り外す時に掴む部位になるので作業し易いです)。キャノピーの縁はなだらかに整形しておくと、コクピットにはめ込みやすいと思います(上の写真矢印部分)。

機首・LiDAR用光学窓の加工

 このガレージキットでは機首下に付くEOTS(電子光学照準システム)の光学窓が透明パーツとなっていますが、同じく機首下正面側のLiDAR(レーザー測距・照準装置)の光学窓と下主翼の翼端灯も透明化すると(目立つ箇所なので)効果的かと思います。
 機首下のLiDARに付いては↑写真の箇所を1o径のドリルで開孔して同径の透明アクリルファイバーを埋め込んだうえで不要部分をカット・整形してやると光学窓ができます。

 翼端灯についてはモールド部分を削り取って(てきとうに切り出した)透明アクリル片を接着→翼端の形状に合わせて整形し研磨すると透明化することができます。

 付属する甲板用牽引車のテールランプ/ヘッドライトも同様です。

翼端灯の加工
甲板用牽引車・テールランプ


 このキットについては、@追加したレーザー機関砲の装備状態、A他のバリエーション等々いくつかやり残した事があるので、もう少し続きます。

零式艦上戦闘/観測機
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