攻撃ヘリコプター・ウェストランドAH-Mk.1 "ヘルハウンド"

Advanced Atack Helicopter AH-Mk.I HellHound
英国陸軍が採用する純粋な攻撃ヘリコプターとしては最初の機体、AH-Mk.1。基となる米軍のAH-88と同様、巨大なスタブウィング(というよりも、本機体では空力的に機能する主翼である)が外見上の最大の特徴であり、ヘリコプターとしては限界に近い400q/h以上の速度性能を得るためのもの。

 アメリカ陸軍が運用する攻撃ヘリコプターAH-56 シャイアンの後継機として発展型攻撃ヘリコプター/AAHの名称で1980年代から開発が進められ、'98年に正式配備されたのがヒューズエアクラフト製攻撃ヘリ・AH-88 "ヘルハウンド"である。その派生型の一つである本機体AH-Mk.1はウェストランド・エアクラフトがライセンス生産を行ったイギリス陸軍航空隊向けの攻撃ヘリコプターで、能力的には米軍のAH-88A4に相当するが、基本的構造はAH-88と共通しているもののAACではコマンドー空母への搭載が当初より企図されていたため艦上運用に対応した幾つかの改設計も行われている。

 導入/採用はAAHの比較的当初から構想があったものの、開発と製造は予定より難航し機体価格も上昇したため、総生産機数は44機に留まっている。米軍仕様の段階的アップデートに呼応した後改修も計画はされているものの、主に予算上の問題で実現には至っていない。

Advanced Atack Helicopter AH-Mk.I HellHound

 攻撃ヘリコプターとしては極めてオーソドックスで細く余剰スペースを削いだような幅の狭い胴体に前席ガンナー/後席パイロットの複座コクピット、スタブウィングを持つ基本構造/構成であるが、先述の様にAH-Mk.1ではヒューズエアクラフト製の機体と幾つかの点で異なっており、まず搭載エンジンはAH-88のゼネラルエレクトリックT800-GE-801からロールスロイスR334ターボシャフト2基に換装され、併せてメインギアボックス周りも変更となっていることからエンジンナセルの構造も異なり、このためAH-88よりも全幅(翼幅)で70pほど短い(結果的に艦上運用での省スペース化にも寄与している)。エンジン後部・エキゾースト部分のIRサプレッサーも形状は異なる。
 従来型とは異なるシルエットを形成するテールブーム/水平および垂直尾翼はAH-88A3以降の強化された構造の物を付ける。

Advanced Atack Helicopter AH-Mk.I HellHound
標準的なヘリコプターのようなテールローターを持たず、代わりにテールブーム後方左側面にはカウンターノズルがありターボシャフトから抽気した高圧空気を噴射してカウンタートルク/ヨーコントロールを行うのがヘルハウンド・シリーズの特徴。いわゆるノーター機とはやや異なる方式だが、これは本機体が高速機として設計されていることによる。

 ほか外形上の識別点としては、メインローターマスト頂部にマルチバンド・レーダードームを持ち(戦術上の要求でもあるが、洋上航法を可能とするための装備でもある)、また胴体下の機関砲も20oガトリング砲から30oリボルバー機関砲・ADEN Mk.6(高速射撃を可能とする強制冷却用シースを持つ長砲身型のType-4を懸吊)となっている、など。内部構造および構造材や搭載アビオニクス、操縦系統でも相違点があるものの、ここでは省略する。
 兵装搭載能力では基本的にはAH-88と変わることは無く、主翼下/スタブウィング下に合計6箇所の外部兵装用ハードポイントを持ち、対戦車ミサイルTOWおよびヘルファイア、ロケット弾ポッドなどを使用できる点も同等。

Advanced Atack Helicopter AH-Mk.I HellHound
Advanced Atack Helicopter AH-Mk.I HellHound

ディメンション:全長 15.76m 全幅 8.15m 全高 4.15m
        空虚重量5.74.t 戦闘重量9.86t
エンジン:ロールスロイス R332(出力2,180shp)×2 
固定武装:ADEN Mk.6 リボルバー式航空機関砲 x1
搭載武装:TOW2/ヘルファイア対戦車ミサイル、
     2.75インチロケット弾ポッド、対レーダーミサイル・サイドアーム、AAMスティンガーほか

 パトレイバー・シリーズに登場する攻撃ヘリコプター・ヘルハウンドです。
 別頁の陸上自衛隊仕様…に偽装した米陸軍機AH-88ではなく、英国陸軍航空隊仕様として作ってあります。デジグネーションの「AH-Mk.I」は現実では英軍仕様のAH-64に与えらえたものですが、あの世界にアパッチなどと言う攻撃ヘリコプターは存在しないそうなのでこれを割り当ててあります。
 1/100スケールでフルスクラッチビルド、じっさいにはプラ板工作による原型→レジンキャスト複製した自家用ガレージキット(当初より販売などは企図していない)ですが、ワンフェス2023冬におけるイベント「第一回幕張国際レイバーショウ」用に作ったものです(が、諸事情で参加はできず為に展示も出来なかったという少々残念な模型です)

Advanced Atack Helicopter AH-Mk.I HellHound
Advanced Atack Helicopter AH-Mk.I HellHound

 原型はこちらのAH-Mk.1として作ったもので、むしろ別頁のAH-88はこれのレジンパーツに追加工作を施して陸自仕様とした物です(ぜんぜん関係無さそうな蛇の目の付いたヘリコプターを展示したら、さすがにちょっと気まずいかな?などと思ったとか思わなかったとか)

Advanced Atack Helicopter AH-Mk.I HellHound
Advanced Atack Helicopter AH-Mk.I HellHound
Advanced Atack Helicopter AH-Mk.I HellHound

 懸吊する航空機関砲および対戦車ミサイルランチャーやロケット弾ポッドなどは、1/100スケールであるが故に使用できる流用パーツなど無く全て自作。ランチャー/ポッドは写真・シーンによって状態が異なっていることから判るように、すべて実際に装填と除去ができるよう作ってあります。
 またいずれもメインローターがぐるぐる回っていますが、モーターライズというわけではなく基部にミニ四駆用の小型ボールベアリングを仕込んであるため(唯一の流用パーツ)。よく廻る。

Advanced Atack Helicopter AH-Mk.I HellHound
Advanced Atack Helicopter AH-Mk.I HellHound