2024-11-11

戦術宇宙戦闘機 SA-77 シルフィード(その1)

戦術宇宙戦闘機 SA-77 シルフィード

 メガCDゲーム「SILPHEED」の宇宙戦闘機 SA-77 シルフィードです(14年ぶり4回目)。

 店頭でオープニング・ムービーを見たのが最初の邂逅だったと思いますが、
 なにやらポリゴンで作られた超かっこいい宇宙戦闘機が母艦から発進していく一連のシーケンスに当時の僕は一撃でノックアウトされてしまい、ゲームソフトはともかく、持っていなかったメガCDも買ってさっそく……
 さっそくプラ板を切っていたわけです。やってることが今とぜんぜん変わらない。

  ※もちろん絵を見るためには頑張ってゲームをクリアしないとならないのだけども。

戦術宇宙戦闘機 SA-77 シルフィード
戦術宇宙戦闘機 SA-77 シルフィード

 ↑'93年当時作ったSA-77。兵装バリエーションが2種あるけど、レジンキャスト複製なんて知らなかったのでプラ板工作で2機それぞれ作りました。すごいラフな感じしますが、言ってしまえば僕も見熟だったので。

戦術宇宙戦闘機 SA-77 シルフィード
戦術宇宙戦闘機 SA-77 シルフィード

 ゲームの架空戦闘機/宇宙戦闘機としてもとても好きな機体なので、それ以降もワンオフで作ったり(PS2版のJ型)、あるいは当日版権のガレージキット(これはメガCD版/PS2版の兵装コンバーチブル)として製作したり。


 今回再び作ろうと思った切っ掛けはというと、SA-77 シルフィードの機体をデザインされた米村孝一郎先生が同機体の決定稿・対案として描いたそれをリファインしたイラストをTwitter(現X)で見かけたので。
 言ってみれば、SA-77 シルフィード・2019年版。↓米村孝一郎先生のBlueskyから引用しておきます。

メカデザインの仕事などもしています。

[image or embed]

— 米村孝一郎 (@yonemura-kou.bsky.social) 2024年10月18日 10:30

 インテークが上下に分離しているのが特徴的なのですが、その他にも機首・コクピット/キャノピーに相当するバルジが無かったり、あるいは4基の砲も付いていなかったりと、「そこはシルフィードの形態に必須じゃなかったんだ……」という発見があって面白いです。

 というわけで、今回はこのイラストを基にしつつ、ゲーム中の自機デザインとのハイブリッドという方向性で考えてみることにしました。

戦術宇宙戦闘機 SA-77 シルフィード

 初手です。キャノピー。
 いつものようにプラ板積層で原型を作って透明PET樹脂板のヒートプレス。
 キャノピーを含めポッド型になっていますが、これは「Project Sylpheed」のNATF-4 デルタセイバーのデザインを踏まえた構造を当初から考えていたため。デルタセイバーについては、また別の機会に(話すと長いけど、しかし、そもそも全く別の作品だぞ)。

戦術宇宙戦闘機 SA-77 シルフィード

 デルタセイバーも作りかけているわけですが、これについてはまた別の機会とします。

戦術宇宙戦闘機 SA-77 シルフィード

 背部にあるスリットを先に作っているのですが(カーキ色プラ板の部分)、先にディテールの工作をやっておいた方がいいからです。プラ板工作で組む場合、段取りを予め考えつつ造形する、ってのもわりと重要だったりする。

戦術宇宙戦闘機 SA-77 シルフィード

 ↑↓他の造形もしていたのでちょっと2年ほど寝かせてからの再開。
 同じものをずっと作り続けるのも飽きてしまうのでローテーション的にやる、ということも出来ます。手間がかかるのであれば、よけい気長にやることです。

戦術宇宙戦闘機 SA-77 シルフィード
戦術宇宙戦闘機 SA-77 シルフィード
戦術宇宙戦闘機 SA-77 シルフィード
戦術宇宙戦闘機 SA-77 シルフィード

 ↑↓キャノピーと機首のすり合わせがいま一つだったので、近傍を削り取ってやりなおし。機首側面・三角形のスリットもいったん付近を切り取ってプラ板工作したスリットを埋め込む。

戦術宇宙戦闘機 SA-77 シルフィード
戦術宇宙戦闘機 SA-77 シルフィード

 胴体下・センターラインの兵装はメガCD版の2種(通常と長砲身の何か←実際のゲーム中における武装のどれ、という説明は無いのでじつは詳細が判らない。砲なのか、投射兵器の射出器か、はたまた防御シールド的な何かか)およびPS2版のJ型が持つ防御システム(おそらくE.M.ディフェンスシステムと推定できる)が判明しているのですが、ここではJ型のそれを基本に。
 兵装バリエーションは当然作りたいので、機体はレジンキャスト複製する予定※(なので、それを見越したパーツ割りおよび篏合部位は予め作ってある)。

 ※いちおう書いておきますが、レジンキャスト複製するからと言って、これを当日版権物ガレージキットなどにするつもりは無いし(そもそもオリジナル的アレンジの要素が大きいというのもある)、もちろん自家用。販売頒布することは無いです。そういうのはやめたので。

戦術宇宙戦闘機 SA-77 シルフィード
戦術宇宙戦闘機 SA-77 シルフィード
戦術宇宙戦闘機 SA-77 シルフィード

 というわけで、続きます。


2024-10-21

最近作った画像

 いろいろあって模型の作業をするほどの時間が確保できないと、この手の画像が量産される傾向があります。
 一部は「DeviantArt」にオリジナルサイズが置いてあると思います。Twitterにもアップロードしていましたが、そちらは諸般の事情で引き揚げました。



不可知戦域

 「グッドラック 戦闘妖精・雪風」に出てきた不可知戦域。小説に記述されている光景はこんな感じなのではないかと。曰く、上下に雲海のような平面。薄暗く、遠方には光のリングが見える。機体前方は青く、後方は赤い。

 OVA版にも不可知戦域は出てきたのだけど(Operation-5の冒頭)、そもそもどうやって脱出したのか?というところがきわめて「原作を読んだ人にしか判らない」つくりになっていたのが、
<This is not warning shots...JAM>の辺りの凄みが伝わらない気がして勿体ない。

不可知戦域

 ……ということで、画像を追加してみました↑(10/22追記)。
 他と同様、模型を外撮りしてPhotoshopによって加工。最近のは生成機能が付いたりしているようですが、僕が使っているのは5.0(正確にはWeb用機能が追加された5.5)なので、いまどうなっているのか知らない。

FRX00/FFR41MR 雪風

 空中給油プローブを展張したメイヴ・雪風。タンカーから見たらこんなアプローチ、という構図。
 ちなみに表紙イラストなどのメイヴは背部中央に受油リセプタクルのマークが付いているのですが、小説中の描写にあるとおり給油方式はフライングブーム式ではなくてドローグ&プローブ式なので、位置も背部左舷としました。
 プローブ受油機としては本来機首(コクピットから前方~側方で見えやすいところ)に付いてないとなんですが、FRXの場合インテークが上下にあるので、その前方には設置できないからこの位置(デタッチの際に噴き出した燃料を吸い込んでしまう)。
 ……などと考えてディテール作業を行います、模型では。

FRX-00/FFR-41MR 雪風
FRX-00/FFR-41MR 雪風
FRX-00/FFR-41MR 雪風
FRX-00/FFR-41MR 雪風

 OVA版の雪風です。バンダイ製1/100スケールEXモデル。だいぶ昔に組んだやつですが、いっさい改造無しの素組みのプラモデルでも撮り方次第では何とでもなります。

FRX-44/FFR-31 シルフィード
FRX-44/FFR-31 シルフィード
FRX-44/FFR-31 シルフィード
FRX-44/FFR-31 シルフィード
FRX-44/FFR-31 シルフィード
FRX-44/FFR-31 シルフィード

 OVA版のシルフィード、通称「ノーマルシルフ」です。1/100スケール、フルスクラッチビルド。

X-02
X-02

 「エースコンバット」シリーズの架空戦闘機X-02、作中のカティーナ作戦時のメビウス1として作ったものです。1/120スケール、フルスクラッチビルド(ガレージキット)。

X-02
X-02
X-02
X-02
X-02

 X-02、こっちは「04」登場のISAFに鹵獲されたエルジア製の機体。同じ1/120スケールのガレージキットですが、こちらはキットをストレートに組んだもの。

XFA-36A Game
XFA-36A Game

 「ACE COMBAT 3 electrosphere」のXFA-36A。1/120スケール、フルスクラッチビルド。だいぶ昔に作ったものですが、模型として撮影する機会が無かったので製作物一覧には載っていません。なのに"空撮"画像は時々作られる。

 じっさいのところ、画像を作ってる暇があれば造形をやれ、って話なんですが。そちらの方はボチボチということで(Boothでの通販も開店休業状態なので、いろいろたいへん申し訳ないのですが)。




2024-10-20・リンク先ご案内

Sparrow S.A.(Bluesky)

Sparrow S.A./イグルーシカ(Bluesky)

 「Bluesky」です。Twitterは昨年7月に鳥が消えてから、それまでのマイクロWeblog的な使い方を止めてログは都度削除・画像も縮小していたのですが、2月以降はこちらを試用、およそ8か月ほど使ってみたのですがだいぶ慣れてきたので以後こちらが主になると思います。
 「Twitter」もとい「X」は引き続き使いますが、同様にポスト/画像は一時的で1~数ヶ月で内容はリセットされます。あとアップロードする画像はサムネイルサイズのみ。




Sparrow S.A.(dA)

Sparrow S.A./イグルーシカ(dA)

 ついでに「Deviant Art」はこちら。リンク先で見てもらえば判ると思いますが、「NoAI」のタグを付けることができて、「アップロードした内容をAI学習には使用させない」というオプションを選択することができる。創作や著作権に関わるソーシャルメディアでは、この機能はふつうに考えて必須だと思うんだけど……。
 dAでは、一作品でアップロードできる画像は一枚のみなので模型にはちょっと向いていないメディアではあるのですが、そこは逆に考えて画像加工して一枚絵として見てもらう、という方向性で使っています。




Sparrow S.A.(ArtStation)

Sparrow S.A./イグルーシカ(ArtStation)

 「ArtStation」も使っているのですが、こっちは一投稿につき複数画像をアップロードできるのであるいは模型にも向いているじゃない、と思って使ってみたのですが……、
主にデジタルアートが中心のコミュニティってこともあって場違い感がすごい。「いままでこんな模型を作りました」みたいなポートフォリオ的サイトとしては見易いかな?と思うので試用中。「Traditional Sculpture」すなわち手工芸のタグはぜんぜん仕事してないですが(ふつうにデジタルアートが引っかかる)。



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2024-08-05

FAF戦術戦闘電子偵察機 FRX99/00(リビルド)

戦術戦闘電子偵察機FRX00/99

 「戦闘妖精・雪風」に登場する、フェアリィ空軍試作無人戦術戦闘電子偵察機FRX99、およびこれを改造して有人機仕様としたFRX00です。
 いわゆる"原作版"ではありますが、小説中の記述に基づいて私がデザイン、再構築した造形。なので「FRX99/00 リビルド」です。

 OVA版環境以降のいまでこそ「シルフィードやスーパーシルフ、メイヴなどはどんな飛行機なのか?」などとGoogle画像検索でもすれば具体的な形象が得られるのですが、出てくるのはたいてい普通にそのOVA版であるし(しかもリリースされてから20年以上経っているのだぜ)、僕らが初見でそれをどう思ったのか?みたいな昔話をくり返すつもりは無いものの、まぁいろいろと思うことはあるわけです。

 小説「戦闘妖精・雪風」特にシリーズ第一作である同名小説中では、登場するFAF戦闘機の形態・ディテールや具体的機能、それに基づく戦闘のシーケンスなど事細かに描写されており(それが同名小説のケレン味の一つとなっていることに異論は無いと思う)、表紙イラストや当時SFマガジンのイラスト等々、多少の手掛かりはあったとしても、読み手としては「どんな戦闘機であるのか?」といろいろ妄想するのが嗜み?だったように思います(少なくとも僕の知る狭い範囲※に於いては)

 ※その証左となる、「戦闘妖精・雪風 画像掲示板」なるコミュニティがありましたが昔話です。

 そこで、続巻も出ている現在「このシーンはどんな絵面なのだろうか?」などとは思うし、自分の中のFAF戦闘機像もアップデートしたい(何しろ、ぶっちゃけメイヴみたいなシルエットの戦闘機がリアルで飛んでいるのだ)、あと間違ってもそれは外連味あふれる前進翼の"汎用飛行機型決戦兵器"((c)岡部いさく先生)であってほしくは無いので←ここは重要なところだ、だいたい10年ぶり※※に真面目に考えてみることにした次第。

 ※※厳密に言うと作りはじめて3年半くらい経ってるが。

戦術戦闘電子偵察機FFR-31MR

 OVA化された時期が時期なので、当時↑のように言われたし、実際そう思った人は多い(と思う)。
 ケレンを燃料に、ロマンを噴射して飛ぶ架空戦闘機としてなら文句無く格好良いと思いますが、最初のPVで「日本ハードSFの名作を完全映像化」とわざわざ謳っていた以上、その落差に何も思わなかったわけではなく……。くり返しますが、原作中であれほどディテールの記述があるのだから、そこは拾わないと。

戦術戦闘電子偵察機FFR-31MR

 小説「戦闘妖精・雪風」には、スーパーシルフのエンジン始動プロセスが細かに描写されていて(当然文章で)、左右共用のジェットフュエル・スタータを右、次いで左に接続する記述がある。
 そのように書いてあるのだから、そこは拾ってデザインを…、当時からそう思わなかったわけでもなく。
 ただし映像作品なのだから先ず見た目の判り易さケレンなどが最優先される、という事は納得するしかないし、まぁ、いろいろ。
 要約すると、愛憎入り混じってますね、という話(まるで面倒くせぇおっさんだ)。

 ここまで長い、長いぞ(しかもめちゃくちゃ蒸し返す)。

 ともかく、表紙イラストなどに比較的則った造形は前回/前々回やっているので、先述のとおり今回は小説中の記述に立ち返ってそこから形態・ディテールを考えていく、という方向性で作ってみることにしました。

戦術戦闘電子偵察機FRX-00/99

 ↑これは前回2014年に造形したFRX00/FFR41MR メイヴ、およびFRX99。
 基本的には表紙イラストに準拠しつつ、内部機構・主にエンジンと吸気系を含めて各部ディテールも自分なりに考えてみた。シルエットや細部の形状も表紙版/SFマガジンの挿絵およびアレンジ造形のハイブリッド。

 さて基本に立ち戻って、FRX00とその原型となったFRX99がどんな戦闘用航空機であるのか、「戦闘妖精・雪風」作中の主にブッカー少佐のセリフ他を参照すると、

■ ストレーキ/LEXを持つクリップドデルタの主翼平面形
■ 主翼端は捻るように可動して翼端失速を防ぐ
■ ストレーキ前方に収納/展開式の前進角カナードを持つ
■ 尾翼は前後2対、自在かつ飛行領域に応じ連続的に可動して水平~垂直尾翼いずれの形態も取る
■ スーパーフェニックス双発、エアインテークは機体の上下に2対

 等など。
 他にも記述が随所にあり、続巻以降でもそのディテールは言及されているので、それらを参考に造形したのが今回の模型です。
 スケールはいつもと同様1/100スケール。少なくともFRX99およびFRX00の2機作るのでプラ板工作の原型をレジンキャスト複製しました(その他もろもろあって、全製造数は13機。そう、ブーメラン戦士と同じ数※)。

 ※縮尺模型なのだから、そういうディテールも含めて実在(しないけど)を模したい、という遊びです。別名、自己満足とも言う。

戦術戦闘電子偵察機FRX-00/99
戦術戦闘電子偵察機FRX-99/00

 基本形態は表紙イラストほかのメイヴを参考にしていますが、
「他のFAF機が飛行できないほどの高度まで上昇し、なおかつその領域で戦闘機動ができる」という描写もあるので、それを充足する航空機の形態は如何なるものか?と考えて機体の概形をデザイン。
 主翼+尾翼全体で揚力を発生する一種の複合翼が切り欠きデルタ翼を成す、というふうにしてみました(第8話「スーパーフェニックス」において、「どの翼がどんな揚力を生み……」という台詞もあるとおり、揚力を発生させているのが主翼のみではない、と取れる記述がある)。

FRX-99/00の揚力コンポーネント

 主翼とその翼端、2対の尾翼は全体で"主翼"としても機能する要素を成し、飛行領域や機動に応じて尾翼と主翼端が自在かつ連続的に可動する、という機構です。今回の造形のキモです。
 ↑の形態は超高空/亜音速域での尾翼位置、全体で大面積の菱形翼を形成。
 またこれは、いわゆる第六世代戦闘機(このカテゴライズ、あんまり好きな概念じゃないけど)に有りがちな「なんか平べったい不愛想な形した空飛ぶ三角定規※」的シルエットをも意識したもので、そう、「いま考えられる未来の戦闘機はこんな形」という要素を入れたものでもある。

 ※しかし神林先生、「ステルス機は卑怯でつまらない」的なこと書いてたような、書いてなかったような……。



FRX-00

 方向性が決まったら、いつものようにプラ板工作。↑はおよそ3年半前の状態で、所々記憶が朧なのですが工作じたいはいつもと全く同じ。実際にはエンジン+エンジンベイの大まかな造形が先行→機体を作ります。

 エンジンは、「戦闘妖精・雪風」巻末の諸元・FNX-5011-B/スーパーフェニックスMk.XIを参照すると重量1.1tとあります。軽くないか? 少なくともOVA版のスーパーフェニックスより格段に軽く即ち小さいエンジンであることが推測され、実在のエンジンだとF404/414辺りが参考になるかな? と考えて口径と全長を決めました。
 じつのところサイズを見るために流用したのは別の原型(アレスタドラグーン)のエンジンなのですが(あちらもその位の大きさのエンジンかな?と考えて造った物なので)。

 エンジンのサイズが決まったらエンジンベイ・胴体の大きさも決まるので、それを基幹に主翼平面形を↑↑の方向性で考えつつ造形……という順です(僕はたいていラフスケッチ等を経ることなく全て立体上で形状を考えていくのですが、この機体も同様)。

FRX-00
FRX-00
FNX-5011-D スーパーフェニックス

 ↑エンジンはもちろんそのまま流用、というのは如何にも駄目なので新造。

 ……という辺りで他の造形が立て込んできたこともあって一旦寝かせることになりました。↓は2021年1月頃の姿(おおよその形状が決定したので満足してしまった、とも言う。だって小説読む時妄想するにはこれで充分ではないですか)。

FRX-00


 ……で、「アグレッサーズ 戦闘妖精・雪風」を読んで製作意欲がモリモリ湧き上がってきたわけです。僕は単純なのです。なのですが何だかんだあってじっさい着手したのは今年の2月頃。

 方向性や細部ディテールの方針は決まっているので、あとは作るだけ。メイヴ/レイフを造り分けるので、原型→シリコンゴム型でレジンキャスト置換という作業もいつもと同じ。

FRX-00

 ↑これ以降はレジンパーツに置換後です。自家用キットなので複製はかなりてきとう。

FRX-00
FRX-00

 ↓今回やりたかったことの一つ、「コクピットのフロア側もキャノピー」
 OVA版メイヴのコクピット=ライフカプセルが全面透明(下半分はハーフミラー)であるので、ここは避けて通れないような気がしたので。
 また最近の(戦闘知生体としての)雪風、ひょっとしてパイロット/フライトオフィサのことをセンサープローブとか、人間特有の知覚・思考によってジャムを捉える兵装として扱っているのでは?みたいなフシもあるので、「雪風の知覚を通さず、あくまでも肉眼で視認する」コクピットシステムはある意味必須なのではないか?と思った次第。
 と言っても、「アグレッサーズ」内で言及されていることに拠ればメイヴのキャノピーは一見して機体と同色のようなコーティングが成されていて中が見えない、とあったのですが(どうしよう?)

FRX-00


 というわけで、FRX99およびFRX00の2機+外部兵装。
 兵装は射程距離の異なる3種の従来型ミサイル・AAM-III/V/VIIと、「全系統異常なし」で出てきた高速ミサイル、とりあえず中射程用のHAM-6(なんでアラビア数字の表記になってんだろ?)、としてあります。

FRX-00
FRX-00


 ↓以下は無人機であるFRX99。-00はあくまでもこれを基にした改造機であって、エアフレームとしてはこちらが本来の姿のはずなのでバランス/シルエットはこっちのが均整取れたものとし、メイヴは少々頭でっかちに(複座機はたいていそうだけど)。-99の機首にもバルジが付いて人が乗ってそうにも見えますが、機首のシルエット/形状はメイヴと同様であることが記載されているのでこの形状(あと明らかに人が乗るには小さいバルジとしてある)。
 機首内部には中枢コンピュータやレーダー火器管制装置、偵察機材のほかレーザー砲架が入っていると考えバルジの先端に照射用の光学窓。

戦術戦闘電子偵察機FRX-99
戦術戦闘電子偵察機FRX-99

 ↓以下は塗装前サフ吹きの段階。
 色が付いた完成状態でもいいのですが、むしろ「形」を見てほしいのでこっちも重要。最終的にキャラクター性の重大な要素になるのがカラーリングなんですが、僕が着目しているのはあくまでも形なのです。

戦術戦闘電子偵察機FRX-99
戦術戦闘電子偵察機FRX-99
戦術戦闘電子偵察機FRX-99
戦術戦闘電子偵察機FRX-99


 ↓以下は有人機仕様のFRX00。主翼の形状を違えてあるのは「もうちょっとクリップドデルタ翼っぽくしておいた方がいいかな……?」という弱気の産物とも言う。そもそも「クリップドデルタ翼」とは何か?みたいなことをちょっと考えてもみたのだが、
 そもそも最初に決めたコンセプトどおりに完走した方がいい、ってことで、後で主翼形態は元に戻している。
 その他の細部は同一です。

戦術戦闘電子偵察機FRX-00
戦術戦闘電子偵察機FRX-00
戦術戦闘電子偵察機FRX-00
戦術戦闘電子偵察機FRX-00
戦術戦闘電子偵察機FRX-00
戦術戦闘電子偵察機FRX-00
戦術戦闘電子偵察機FRX-00

 ↓そして完成状態のFRX00。いや、キャノピの下・サイドシルに「雪風」の字を入れたのでFFR41MR・メイヴ/雪風。
 その「雪風」の文字を何処に入れるか?ちょっと迷ったのですが、OVA版の機首にデカデカ書かれた「雪風」は、それはそれでケレンがあって格好いいとは思うものの(しかもOVA版のやつ、神林長平先生自らの字だぜ)、作中に「小さく漢字で、雪風」とあるし(付記するならば、日本通のブッカー少佐の字なので、ほんとうなら流麗かつ難読)そこは原作どおりの方がいいかな、と。
 単行本表紙などを見ると、スーパーシルフ同様に右側にのみ書かれているので、それを遵守。

戦術戦闘電子偵察機FRX-00
戦術戦闘電子偵察機FRX-00

 ↓こっちはFRX99の尾翼マーキング+胴体後部にシリアルNo.。
 レイフについては、モデックスNo./シリアルNo.ともに判明していないので、想像。
 デカールは平米屋平兵衛(アトリエジンギスカン)さんに作ってもらいました。尾翼のブーメランも平米さんデザイン。単行本に載っているブーメランマークを基にしつつ、シンプルかつたいへん格好いいと思います。

戦術戦闘電子偵察機FRX-99



 というわけで、だいたい3年半くらいかかったかな?今現在の自分の中のFRX99/00像みたいなものを具現化してみました。小説なので、究極のはなし文字情報だけだから、各々自由に想像して遊ぶことができる、そういう読み方もある、というのは以前からずっと思ってたことで(もちろん絶対的なものじゃない。用意された正答の安心感、ってのも否定すべきではない)、それを形にしてみた感じです。

 でもしかし、今回のメイヴ/レイフも、5年経ったらぜんぜん違う形のものができる、そんな人間でありたいとも思います(最後まで、面倒くさいなぁ!)。

※面倒くさいついでに、ちょっとくどい解説↓。クリックで拡大します。くどい。

戦術戦闘電子偵察機FRX-99/00・解説
戦術戦闘電子偵察機FRX-00