ギアーデ連邦軍多脚機甲兵器XM2 レギンレイヴ
「86-エイティシックス-」に登場する多脚機甲兵器レギンレイヴです。バンダイ製1/48スケールキットを組みました。
組み易いし高機動に特化したフェルドレスの特徴を良く捉えたキットではあるのですがやはりいろいろ気になる箇所があるわけで、あちこち改造。
パーソナルマークを見て判るとおり、リッカ少尉の搭乗機「ラフィングフォックス」として作ってあります。キットの付属マークは悲しいことにシールだったので(モデラーとして面倒くさい世代)、ここは手描き。
↑判り難いですが、背部ガンマウントの88o滑腔砲は後座の状態。
↑同スケールの自律支援機スカベンジャー(フルスクラッチビルド)。塗り直す前なので、アニメ版の色ではなく原作版の色……でもなく(何しろ作った当時は色情報など無かったのだ)想像によるカラーリング。
↓同スケールの自走地雷。
↓以降は製作中の写真。と言うより製作記になっているので何かの参考になれば。
まず気になる箇所として、
■装甲各所の小さい円形モールド(リベット?もしくはボルト)、縁がややダルいので全体的にモッサリした印象を与えてしまうのは兎も角としてインジェクション成型の都合から斜めに生えてたり省略されていたり、という箇所は直す必要がありそう。
■いつものバンダイのエッジ部分の面取り(C面)。
■歩脚、膝に相当する関節の可動域が狭い。緩衝器のシリンダーを動かすギミックが不十分な為ですが、そもそもフェルドレスの格好良さは低く構えた姿勢が為すシルエットにあると思うので、脚の可動域もそれなりに広くないと(膝が良く曲がらないと)ならないと考える。
■脚部に各1基ある対装甲パイルドライバ、諸元では口径57oとあるものの明らかに太いので(ついでに妙に軟質のプラ製である点も気になる)作り直す必要がある。
■背部ガンマウント。88o砲を懸架するガンマウントは砲それ自体と一体化して成形されているので、ここは分離したい。
などなど。
まず装甲各所のリベットないしボルトのモールド。
これに付いては簡単で、径およそ0.3oなのでシャープペンシルの先端を研いだ即席のポンチで縁を軽く抉ってやるとモールドがくっきりするし、ボルトが斜めに生えてる箇所も同じ工具で修正できます(楕円になってるところを丸く抉ってトリミング/余白は平刀で削り取る)。ボルトが省略されているところは0.4oドリルで開孔して伸ばしランナー埋め込み→カットして整形。
↑シャープペンシルの先端。ダイヤモンドヤスリで斜めに面取り→研いである。埋め込んで適当な長さにカットした伸ばしランナーの周りも同様に軽く抉ってやるとモールドがシャープになる。
88o滑腔砲。ジャガーノートではエジェクションポートが開いて排莢するギミックまで再現していたのに、いったいどうしたんだ?
何故かガンマウントと一体成型なので、ここは分離したい。
砲機関部の箇所・不要部分を切り取ってガンマウントのみとし、砲機関部はプラ板工作で新造。箱型の形状なので比較的容易です。
↑新造した88o滑腔砲・砲機関部。弾倉周りの形状が異なるのは、原作版の設定画を元にややアレンジしてあるため(砲弾の大きさを考えると弾倉の前後長はやや短めであったため、このあと作りなおしているのだけど)。
パイルドライバ口径は57oと書いてあるので、径およそ1.2oであるべき。
1.2o径のステンレス線の先端を研いだものに置換してやればいいだけです。刺さって危ないけど。
パイルの後端はキットのパーツを流用、パイル自体は1.2oステンレス線のそれに換えて射出器を組む。
キットのよりも細いので、射出器先端にはガイドの筒を取り付けて中心を取るようにする。
膝の可動に伴って緩衝器(シリンダー状のパーツ)も動くギミックが再現されているのですが、近位側のそれは固定であるため膝の可動を制限してしまっています。ここを改修します。
近位側のシリンダー(パーツD11)を可動式とすれば良いのですが、個々のシリンダーがそれぞれ可動する完全再現をすると1機あたり2×4本、ノルトリヒトの5機を作ると40本の1o径シリンダーを工作しないとでたいそう面倒くさいため、ある程度簡易化することにしました。
D11を↑写真のように切り離して、大腿部パーツも加工してスライドできるようにします。
本来はシリンダーの両端にも可動を入れないと滑らかに動かないのですが、手間がかかる割に小さいから目立たないため簡易化してシリンダー軸を0.8o径、軸受け側を内径1.0oにすると可動には支障ありません。
大腿部の中は↑のように加工。D11遠位側の大腿内軸受けには1o径スプリングを仕込んであるので、それっぽく可動します(あくまでもそれっぽく)。
D5は↑写真のように一部を切り欠いて膝の可動域を約30°拡げてあります。
このくらいまで曲がるようになりました。脚を畳んだ格納時の駐機姿勢とは出来ませんが……。
脚部を組んだ状態。
下腿の装甲も側面にスリットができるように加工して(C-16/17の取り付けの際に0.5o隙間を作ってやるだけです)縁のC面が気になったのでリベットをいったん切り取って全体を整面、一部にエッジも付けてリベットを埋め込んで……という工作をやっているのですが、そこは省略で。
大腿部・伸側の膝側にあるモールド何だろ?と思ったのですが、小さいフックのようにも見えるのでホイスト用のそれと考えて多少強調してやります。
0.4o真鍮線でU字シャックルを作って取り付けました(他のフェルドレスにもだいたいU字シャックルが付いているので何となく辻褄が合ったぞ)。
プロセッサーハッチ(コクピットハッチ)はアクチェータ2本で開閉するようなので、ステンレス線と真鍮パイプでそれらしく。可動式としてあります。
顎の装甲はひと回り大型化。主光学センサーは奥まり過ぎのように思ったので、A8の接着面に1.2oプラ板のスペーサーを入れてあります。
光学センサーのレンズはプラ棒と透明アクリル片から削り出して新造。レンズの表面が凸凹しているのはいただけないので(複数レンズから成る光学系を見た目で表現しているのだろうけども)。
3o丸棒の軸に1.4o開孔→パイプ状にして透明アクリル片を先端に付けて削り出し・レンズを作る(径2.8oに調整)→キットのパーツを削って取り付け。
……と言うわけでまだラフィングフォックス1機しか完成してないのですが(全種買ったのに……。しかもスピアヘッドの5機分+予備4機)、気長にやることにします。